MacBook Pro Retina 15inch late 2013/キーボードを修理する

MacBook Pro Retina 15inch late 2013/キーボードを修理する

この機種はキーボードに弱点があって1年程度の使用で一部のキーの反応が悪くなる。 最初は保証期間内での無償対応でキーボードまるごと交換していたが、保証も切れて自力で直す必要がでてきた。

ちなみに、キーが1つ壊れただけで、Apple に修理に出すと 50000 円 オーバーの費用がかかる。

反応が悪くなる原因

キーの下にシリコンゴムのカップがバネ代わりに入っている。 押されてない状態では のような状態で押されると のような状態に変形して、この凹んだ部分の先端がスイッチを押し込むということになっている。

このカップ自体はキーボードのスイッチとなるフィルム部分に普通接着されているのだが、こいつが経年劣化で剥離してくる。 剥離すると押した時の変形後の形が安定せず所定の位置を安定的に押し込むことができないということが反応の悪い原因となっているようだ。

これにカップ自体の劣化も組み合わさると症状が悪化する。確認すればわかるが、多用されて劣化が進んでいるキーは、明らかに押下圧が下がっていて、 フニャフニャになっている。

もう一つの原因としては、その下のフィルム状のスイッチそのものが劣化してきていてフニャフニャになってきているということもある。 カップは上から押し込んでいるのだが、フィルムが変形してしまって下に力が伝わってないということ。

反応が悪くなるキー

TU のキーが反応が悪くなる(と感じやすい)。 おそらく、ハードウェアとして、このキーボード下から4段目の中央の裏が最も熱くなるポイントがあってそれが劣化を促進しているのだと思われる。

特に日本語の促音入力とし非常に連続多用する T のキーは感度の悪さに人間側が気づきやすい。 おそらく同様に Y も劣化しているのだろうが、そこまで入力頻度は高くないので問題が表面化しにくい

分解確認

該当のキートップをナイフかなんかヘラ状のものでコジッて外す。白いパンタグラフ状の部品があるので表裏と向きを覚えてこれもコジッて取り外す。

カップが中央に見えるので、その周辺部を爪楊枝かなにかで押してみる。ここでカップがズレたり爪楊枝の先がカップの下に入り込むようなら接着が剥離している。

正常なキーはここが非常にガッチリくっついていてかなりの力で引っ張っても取れないようになっている。

修理

原理は簡単で接着が剥離してるのだから、再び接着するだけである。

シリコンラバーは難接着性なので接着剤を選ぶのだが、自分は愛用のゼリー状瞬間接着剤を使った。 カップの外周部に接着剤を塗布して元の位置に再接着する。 運がよければこれで直ったりする。

カップの劣化が進んでいると、これで症状はましになるぐらいだが、完全回復にはならないと思う。 その時は奥の手だが、CAPS キー等の一生で1回も使わないキーからカップを移植するという手も考えられるだろう。

古い Macbook のジャンクを入手しておくのもよいだろう。

もう一つの修理対策としては劣化したフィルム側の対策として、フィルムの反応する部分を強度を増して嵩上げしてやることになる。 カップを除去して、フィルムが見える状態になっているところに同じサイズに切り取ったシールかなにかを貼り付ける。 これによりフィルム側の強度が増しつつ高くなるのでより奥に押し込めるようになって反応がよくなる。

mac/macbook_pro_retina_15inch_late_2013/repair_keyboard.txt · 最終更新: 2020-12-04 18:54 by ore