ベトナム語/単語/意味の塊と表音

ベトナム語/単語/意味の塊と表音

ベトナム語は分かち書きするのだが、分けて書いた右と左の単語が単独で意味を持たないことが普通にある。さらに別の単語と綴りは同じという場合もある。

音と意味としては一体のものなのだが表記では分けて書くという不思議なルールがそうさせている。 ベトナム語は「表音」なので、単語の組み合わせの流れで変化した音もスペルに反映される。そういう意味では日本語のひらがなだけで書いた文章と似ているといえば似ている。

さらにややこしくしているのがベトナム語の単語は全て非常に短いということである。短さを音のバリエーションでカバーしている。 変化を「表音文字」で追跡すると問題がおこる。

例えばゴーヤはベトナム語でkhổ quaだ。khổ単体では意味が無い、そしてquaは本来はquảだと思われる。 quaは漢字の「過」から来ており意味はそのまま「過剰」や「過ぎ去る」を意味する。quảは漢字の「果」から来ており、「植物の実」を意味している。

文字が表意より表音を優先しているため本来とは「違う意味の単語」としてそこに現れることになる。これはややこしい。 断片的な単語読みができないのだ。

そういうことになる状況が多々あるということを頭に置いておこう。

vietnamese/words/chunk_and_sound.txt · 最終更新: 2015-09-04 12:05 by ore