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書いてる野郎
orebike@gmail.com
自分の経験からベトナム語の発音をまとめる。
完璧には正しくないと思うがイロイロベトナムの方々に聞いた内容をまとめ。
発音超重要。まともに発音しないとまったく通じない。 しかし日本人が出せる音の限界があるのでうまいやり方を探す。
ここでは各文字の音を説明してはいるが、単独で音だけ取り出して発音練習とかしても意味が無い。 「アー、アー」とか練習しても意味ない。喋ってる途中でそんなこと意識してたら遅いし、1つ1つの音よりも単語中での流れのほうが重要。 どんなに正確に喋っても流れがベトナム語になってないと通じない。
なので会話の流れの中での発音の差異を意識して出していくこと重要。 このメモは正確な発音をするためでなく発音の違いを意識するため。
ベトナム語の発音は難しく、独学で身につけるは不可能。とにかくギリギリ通じるレベルでもそこに到達するまでの発音レベルが英語とは比較にならないほど高く、一人ではその判定はまずできない。 学習の早い段階でベトナム人のおしゃべり相手をみつける必要がある。
学習は文字ではなく発音から入ったほうがよい。そもそもベトナム語で何か読むなんてことがほぼない。そして、ベトナム語の文章というのは喋り言葉とは使われる単語がまったく違うのである。 読むことで、あるとすると店の看板や料理のメニューぐらいで、ベトナム語で得られる有用な情報はほぼ無い。
音で覚えて、音で聞く、頭の中で文字に変換しないほうがよい。 実際に、綴りはわからないが、言えば通じるという単語がすごいある。
発音の項目最初からなんであるが、ベトナム語というのは正確に発音して発音の正確性をもって相手に何かを伝えることは不可能な言語である。
何故かと言うと、ベトナム語では各単語だけでは情報量が少なすぎて、なんとなく意味は限定はできるが正確にはよくわからないからである。
例えるなら、日本語の漢字の音読みのみを使って、しかも熟語を使わずに話すみたいなもんである。 日本語で「わ」とか言っていても「和」「輪」「話」なのかさっぱりわからんが、「かいわ」という風に「かい」をつけると後ろの「わ」が「話」として認識できる。
実際に単独の単語のみを用いた会話はベトナム人同士でもほぼ意思疎通できないぐらいである。
当の本人らも正確に声調を意識しての発音をしてない(ネイティブだから当然なのだが)。 完全に正確な発音で単語を喋っても、それだけだと判断できないとベトナム人が言っていた。 ネイティブでも発音ではなく大体の音と文脈で意味を判断している。
確かにベトナム人は(通常の英語で使う特殊記号が入ってない)アルファベットしか使えない環境(MMSとか)でも普通に文章を打って意思疎通している。これはつまり、正確な発音ではない音を聞いたり、喋ったりすることと似ている。
なので、意味を意識しつつそれなりに発音に気をつけて単語をつなげて話せば音の不正確さをある程度カバーできるということになる。単語で喋らず定番フレーズを固めて使うのがポイントになる。
単語のまとめはここを参照→ ベトナム語 / 単語
文字単体の発音練習をやりまくったり、その成果をベトナム人に試してまったく通じなくて凹んだりしないほうがよい。 ネイティブでも単語の綴りをよく間違える。もう音が曖昧すぎて曖昧のままイロイロな綴りがあってOKみたいに定着してしまっている単語もある。
そういう言語なのである。
しかし、固有名詞みたいなモノは文脈で捉えられない場合が多いのでより頑張る必要がある。 ベトナム語を使う上で最初であり、多用する状況がタクシーで自宅に帰るということ。 この時に通りの名前を言わないといけないのだが、これが変な名前の通りだと全然通じなかったりする。
実際は、ある程度発音の練習もできたし、フレーズで固めて喋っているのに、なぜか通じない。ここで心がボッキリ折られる。なぜなのか?
それは外国人が話すベトナム語というものがベトナム人の中で存在しないことになっているからである。 日本語訛のベトナム語なんてものがベトナム人にとっては存在しないのである。つまりそれはベトナム語では無いのである。 同様にベトナム語を話す外国人もまず存在しないと思われているのである。
日本人の中には英語訛りの日本語というのは意識としてはある、「ワタシノーナマエワーローバートデース」みたいなやつである。完全に日本人の日本語ではないが、全然理解できる。ベトナム人にはこれがまったく無いと思えばヨイ。ベトナム語とはベトナム人が話すベトナム語なのである。 「そういうベトナム語アリなのね」と思ってもらわないとだめなのである。 なのでベトナム語でも地方によってかなり発音や単語やイントネーションが違うのであるが、そういうベトナム語アリという認識があるので通じるのである。
ベトナム人からよく「Where are you from?」と聞かれる。そこで相手は「Japan」とか「USA」「China」「Korea」とか返してくれることを期待しているのだがそこで「Nhat Ban」と言うと、ポカンとされる。英語が来ると思っているところでベトナム語が来る(しかも日本語訛で)と反応できないのである。
なので初対面のベトナム人に外国語訛りのベトナム語は通じにくいのは当たり前なのである。ベトナム人側がこっちがベトナム語を喋っていると認識してくれないのだから。
日本語を流暢に話すベトナム人に「ベトナム語を話せるようになった日本人を見たことが無い」と言われるほどにベトナム語を話す外国人は居ないのである。
まずベトナム人の友達を作って、相手にベトナム語を喋る外国人と認識させることからスタートである。 なので、市場のおばちゃんや、タクシー運転手に通じなくても凹むことはない。ベトナム語ネイティブでも住んでる地域が違えば喋ってることが2割ぐらいわからないというのがベトナム語なのである。
このような状況で、ベトナム人はわからない場合日本語だと「は?!おまえ何言ってんだよ!」の「は」のような「は」で聞き返してくる。それはベトナム語の疑問が「ha」であって、日本語のような強い意味は無い。
しかし周りから毎度毎度「は?」の連続攻撃を食らうと心が折れる。大体の日本人駐在員はこの「は?」の連続攻撃で2ヶ月ぐらいで KO されて勉強を諦める。
ベトナム語の声調は6つ有り、音節ごとに変化する。 傾向として北に行くほど6つはハッキリ区別され、南に行くと曖昧になってくる。南からさらに西に行くとさらに曖昧になる。 中部は特殊らしく、知らん。
とりあえず上げ下げの区別だけでもやっておくこと重要。
声調は単語の母音の上下につけられる特殊記号で示される。中国語と同じく「マー」という単語で説明する。
No | String | memo |
---|---|---|
1 | ma | 若干明るめに平坦に「マー」。日本人の感覚だと若干上がっているように感じる(日本人の耳は単語の最後が下がるようにチューニングされている) |
2 | má | 最初強く発音してその勢いのまま後半上がって「マー」 英語の疑問のような上がり方とはちょっと違う。 |
3 | mà | 勢いなく暗く尻すぼみな感じで「マー」 |
4 | mã | 軽く溜めてから最後にキュっと上げる「マァーゥアァ」気持ち急角度で上げる。「ウーーーーゥワっ!」って感じ |
5 | mả | mã と似てるが気持ち低くコブシを効かせた感じ。南部ネイティブはあまり区別してないらしい |
6 | mạ | 長く伸ばさないで喉を締めて止める「マ」締める瞬間の勢いであと1音でる感じ。南部ではこの記号がつく単語はあまり綴りと音の一致がよくない気がする |
このように声調自体は文字の上下につける記号によって示される。
地方によって曖昧ということは声調に頼らなくても意思疎通可能な道があるということである。
ベトナム語は表音文字なのだが、必ずしも文字と発音は完全一致しないようなので違ってても気にしない。 しかしかなり一致はするので基本的にスペル通りに読めばいいのである(発音できるかは別)
実際は文字の表記以上にさらに細かい発音の違いがある。日本語の「う」を「お」の発音で言うみたいなもんである。 それはその単語ごとに覚えればよい。
喉の奥、歯と唇の間を広く使うような気がする。日本語は全然使わないのでこれは難しい。 雰囲気として上下の前歯、上下の唇が触れ合うことが少ないのでしゃべっているとフワフワした感じになって落ち着かない
実際は単語や声調によって同じ母音でも音はいろいろに変化するので参考まで
No | 母音 | memo |
---|---|---|
1 | a | 日本語の あ に近い感じで ア 単語中に出てきた場合は若干長めに発音する。意識として口先だけで話す感じ。続いてy , u を伴った場合は短くなる |
2 | â | 感覚としては喧嘩の際の「あん?コラァ!」の あ の部分のような軽くドスが入っている発音。若干「お」に近い。下顎をシャクリ上げて閉じる直前(猪木風)の口で、やや疑問形のように あ ・・・・説明不能。口の奥の方を使う。a よりも重め長めの音になる。 |
3 | ă | 英語の Apple の「A」っぽい音。「a」よりも明るく短い感じ。 |
4 | i | 基本的に「い」でいいのだが、南部では「h」が先行している場合「h」の持つ「a」の成分に潰されて発音されない単語もある。 |
5 | u | 口を全力で尖らせて勢い良く「う!」っという感じ |
6 | ư | 英語の勉強で曖昧母音とか言われる発音。口を縦に中途半端に開けて、横に開き気味、日本語の「あ」、「う」、「お」のどれでもない感じの発音 |
7 | e | 日本語の「え」とほぼおなじ。「絵」の「え」気持ち長めに発音する。「ê」よりも口先だけで話す感じで、「ê」よりも明るめの音である |
8 | ê | 「e」よりも若干顎を引き気味にした「え」。音としては日本語の「家」の「え」の部分だけ取り出したような音。「e」よりも口の中の奥から音をだすようにする。「e」よりも短め意識。南部発音では(日本人には)さらに「â」と同じように聞こえる単語もある。これは正式な発音じゃないのかもしれんがこの「え」の発音のあとに気持ち「い」の音を入れると「え」の音がうまくなくても「ê」の音として何故か認識してもらえる。気持ちどころか、思いっ切り「エイ」と言っても何故かそう聞き取ってもらえるのである。ベトナム人にはこの「イ」の音が別の音に聞こえているようだ。とりあえず正しいかどうかしらんがコツとしてメモしておく。 |
9 | o | 口を縦に大きめに開いて「あ」に近い音で「お」 |
10 | ơ | ư と音は似ているがこれは口の形がより縦に大きく開いている。喉の奥で響かせる。 |
11 | ô | ほぼ日本語の「お」と同じ。 oよりも口が尖って「う」に近い音になる |
12 | ươ | 二重母音 ư の長音版と思ってよい 力なく「うぁ」という感じ |
13 | uô | 口をつきだしての「う」から入るが長めに伸ばして曖昧母音につなぐ感じ。単語によっては「u」とほぼ同じ音として発音されることも多い |
14 | ưu | 母音 u の長音版と思ってよい |
15 | iê | ê の文字が入っているが、ネイティブの発音を聞いていると、単に「i」を長く伸ばしているだけに聞こえる。細かく聞くと ê の部分が曖昧母音っぽく発音される。南部ではほぼ長めの「i」のように発音される |
ベトナム南部では清音、濁音、半濁音の区別が曖昧になっており、このへんが人によってごちゃごちゃに発音される。 あの食べる「ピザ」が「ビザ」のように発音されたりする。
なので、ここであげている「c」の音が「g」、「v」の音が「y」になったりする。 発音と文字が一致しなくてもそういうモノだと覚えるしかない。
No | 先頭音 | memo |
---|---|---|
1 | b | 単なる日本語「ば」行の音ではなく、若干空気を喉に吸い込む(喉の奥を広くあける)ようにして唇を開放する。インチキオペラ歌手のモノマネ風といえばわかりやすいか。よくテキストの最初に載っている定番フレーズ「bớt đi」(安くして)はカタカナで「ボッディー」と発音してもまったく通じない。ちゃんと喉の奥を使わなければ通じない |
2 | c | 英語の C とほぼ同じ、日本語の「カ行」の発音らしいのだが・・・ ベトナム人の生発音を聞くと先頭が濁って「ガ行」に聞こえることが多い |
3 | ch | 「ちゃ」のようは発音。trよりも軽く短い感じ |
4 | chu | 口を尖らせて「ちゅ」のように発音 |
5 | chư | 日本語の「つ」に限りなく近い「ちゅ」。実際ベトナム人向け日本語テキストでは「つ」の音はこのように表記されている |
6 | d | 「ザ行」系の音。南部では角がとれて「ヤ行」系の音になる。 |
7 | g | 英語の「g」と同じ感じだが、前の単語によっては音が弱まって「c」や「q」の発音に聞こえたりする。 |
8 | gi | giで終わるならば英語の「zi」のような発音になる。 |
9 | gio | 北部では「ゾ」、南部では「ヨ」のような発音になる |
10 | gia | 北部では「ザ」、南部では「ヤ」のような発音になるが「d」の音ほど「ヤ行」感は強くなく人によっては南部でも「ザ」に近い発音になるようだ |
11 | h | 基本は英語の「h」と同様の発音なのだが、口の形と喉の形によって「ha」のように「a」の母音成分が後ろにくっつくので発音の関係で後続の母音成分が弱まったり、かき消されたりする。 |
12 | kh | タンを吐くように喉から絞り出すように「か行」。南部では発音が柔らかくなって「は行」の音に近くなる。最重要発音 |
13 | th | 舌っ足らずな「タ行」のような発音。「タ行」と「ハ行」を同時に言う感じ。T系の音の成分にかすらせるように次の音に繋ぐ。舌先を上前歯の裏につけ少し押し出しながら「た」を言う準備をしてから「は」を発音する。と「tha」の音になる。日本人にとっての発音難度最高レベル |
14 | tr | 語学書では乱暴に ch と同じと言われているが違う。「ちゃ」ではなくて「ち」の後に一瞬英語の「R」のような音が入る。ゆっくりにすると「チュルァ」という感じ。南部では ch とあまり区別しない。chよりも若干重い感じで溜め気味にする。同じように綴り違いの似た音に x, s があるが、ベトナム人にとっては x, s は音を間違いやすいが ch tr それよりも大きく違いがあると言っている |
15 | nh | 「にゃ」のような発音 |
16 | ng | 鼻にかけて唸るようにしてから「ング」という感じ |
17 | p | 外来語で使われるぐらいでベトナム語には存在しない。本来の音としては英語の「P」と同様なのだが、ベトナム人が P の発音が苦手なので会話の中では濁って英語の「B」の発音に近くなっている。 |
18 | ph | 英語の「f」と同じ音 |
19 | qu | 北部発音では口を尖らせてからの「ク」になるが南部では角がとれて口を尖らせての「ウ」になる。続く音に英語の「w」成分を伴う。単語の流れによっては「グ」に近い音になる。 |
20 | r | 北部では「ザ行」の音。南部では英語の「R」のような舌を奥に巻き込む発音になる |
21 | s | 語学書では「X」と同じと書かれていたりするが微妙に違う。「シャ」という音。「S」の文字単独で「シャ行」の音の成分を持っている |
22 | v | 英語の「V」とほぼおなじで下唇を噛んでの「ヴ」。南部では角がとれて、会話の流れで「ヤ行」に近い音になったりする |
23 | x | こちらは普通に英語の「S」と同じような音。このへんの発音はベトナム人にとっても曖昧で「S」と「X」の綴り間違いがよくある。 |
No | 末尾音 | memo |
---|---|---|
1 | anh | 非常によく出てくる綴り。最後の「nh」は舌を前歯で挟んで締めると同時に唇を横に引く。横に引くことでかすかに「i」の音が挿入される。「アィン」という感じ。南部ではあまり「ィ」感はなく「勢いよくアン」という感じに聞こえる。 |
2 | uyên | 「ぅイェン」という感じ。この単語の並びはたくさん出てくるので覚えれば脳みそのの節約になる |
3 | ở | 喉の奥を広くあけて「お」の後に口を閉じないようにして「う」のような感じ |
4 | c | 発音しない。発音しないのだが口の形を閉じてやんわり止める。つまり舌の付け根あたりを上顎にくっつけて止める。「o」や「u」が先行している場合はと口を閉じてほっぺたを膨らませる形で終える。c で締める単語は感覚として全体的に軽く短く発音するような気がする |
5 | t | 発音しない。発音しないのだが舌を英語の「T」の始まりの位置で止める。つまり舌先を前歯の裏あたりにくっつけて止める。「c」よりも止めた感強調。 |
6 | i | 口を横に引く「い」の発音。 |
7 | y | 口を横に引く「い」の発音。「a」が先行していた場合その「a」の音を短くする。このへんの使い分けは日本語でもたまにカタカナの表記で人によって揺らぎがあるようにベトナム語でも揺らぎがある。正式には y なのだが i で綴る人も居るということである。 |
日本の教科書等は基本的に北部発音を元にして記述されている。
基本的に綴りと音は北部発音のほうが対応がよいみたいだ。
北部の発音は起伏が大きくはっきりとしていて、若干濁音多めな感じ。ジャリジャリした感じ。よく北部喋りを「ゾイゾイ」と揶揄される。 そしてダラダラした部分が無く、全体的に短く、漢字由来の単語を多めに喋る。
この関係か北部話法だと喋ってる時間が比較的短く感じる。全部話し終わっても、続きは?という感覚になる。話すのが速いというか話している内容が短く感じる。
「N」の発音が「Nh」発音になりやすい。数字の5とかは「ナム」ではなく「ニャム」という感じに訛る。
北部の口語はベトナム語の標準的書き言葉に近い。 なので北部人の方が文章を駆使するペーパーワークが得意な傾向がある。
漢字由来の単語の読みと日本語の音読みとの対応は南部発音のほうが一致してることが多いような気がする。
北部とは使う単語自体も少し違っていて、特徴的なのは北部より発音の起伏が穏やかで単語間の繋がりが滑らか、濁音少ない感じ。 若干ダラダラと単語間を長めにとって喋る傾向がある。
発音が滑らかなので声調も緩急の激しい「~」と「?」に区別がなくなって5声になっているいる。
濁音が滑らかになり「v」起因の「ヴ」が「ユ」になる。「r」起因の「ザ」が「ラ」になる。「d」起因の「ザ」が「ヤ」になる。 さらに訛りが激しくなると音の角がどんどん丸くなり「カ行」「タ行」「ラ行」が脱落に近い弱さになる。 ここまで来るともうネイティブじゃないと判別不能である。 「R」の発音が北部では「ザ行」だが南部では巻き舌の英語の「R」発音に近くなる。
南部の人は単語の頭を弱く発音する傾向があり、特に濁音が脱落しやすい、2音節目は普通なので南部でも濁音が脱落しない場合もある。 この傾向は西部に行くとさらに強まる。
単語単体の聞き取りは北部より難しいが、慣れると、こちらのほうが余裕をもってリズムにのれる気がする。
発音に歯を使わない、唇を使わない、舌を使わない方向に進むことで南部独特のフニャフニャした感じになるのだろう。 南部発音では文中で口がほとんど閉まらないので日本人には収まりが悪くてなんだか変な気分になる。
南部では濁音系の音が鈍ってしまうのだが、この関係かどうかわからないが、南部のベトナム人は清音と濁音の区別感覚が無い。同じ音に聞こえるらしいのだ。 同じ音に聞こえるということは自分たちが発音するときも結構適当なのだ。なので「c」の発音が「g」になったり、「v」の発音が「y」に「p」が「b」なったりする。 綴りと違うのだが本人たちは同じと意識しているので同じなのだ。
ダナンやフエに行く機会があったので、そのへんの短い体験からの中部の発音に関してメモ。
印象としては「インド人の英語」みたいな感じに感じた。抑揚があんまりなくて、とにかく1つ1つの音が短くで、ザーッと早く喋る。南部のなめらかさと全然違うゴツゴツとした塊のような印象をうける。
南部ベトナム人が言うには、中部訛りは、全部の音に下のドット付き、つまり全部重く重く話すという。
ベトナムは南北に細長い国で西部というのは、ホーチミン市のさらに西側のカンボジアに近い地域を指す。
英単語をベトナム人に音だけで綴ってもらうと、その音感が見えてきて面白い。
「Zombie」という単語がある。日本人の音感で当てはめると「ゾンビ」である「ゾムビ」とか「ゾンビィ」でもいいだろう。ローマ字で書くなら「zonbi」である。
これをベトナム人(南部)にやってもらったら面白かった。なんと「jumpy」と綴ったのである。これをベトナム人が普通に読むと音としては「ユンピー」に近くなる。 このことからも、ベトナム人(南部)が濁音に関してかなり感覚が鈍いことがわかるだろう。
この感覚がなんだろうなと思ったら、日本人でも、促音の後の「ド」や「グ」等の重い濁音で締めるのを嫌って発音としては清音に直ってしまうものがある。ドッグとかベッドがドックやベットになってしまう。 他には濁音が連続すると語源的に清音でも濁音化するというものがあるようだ。