Unihertz Jelly Pro

Unihertz Jelly Pro

これからのこの電話とかこのメーカー

開発の Unihertz は Jelly の後継を今作っているようだが、正直どうなのかと思う。 Jelly の問題点は明らかに電池が持たないの1点であとの欠点は大きさとトレードオフとしてみんな目をつぶれるところがほとんどである。 それなのに、まったく対応しようとしない。

これの対応は比較的に簡単で、↓のように Nokia系のバッテリーが積めるようなアダプタを作るか、 大容量バッテリーと、それを収める裏蓋を作ればよい。5mm 程度分厚くなってもこの電話のコンパクトさの利点は目減りしない。

しかしやらないので、次のヤツもどうせ欠陥が出たらそうそうにサポートを止めるんじゃないかと思っている。 それに次のモデルは、Jelly Pro の 3倍 ほどの値段になっている。ちょっと遊びで買う範疇を超えてきている気がする。

この次期 Jelly Pro の Atom という機種も Kickstarter で募集するらしいが、 そのプロモーションもイヤラシく、ソーシャル拡散すると手に入る的な宣伝を行ない、特に先着100名には市販予定価格の半額で売るということをやっていて、 Kickstarter を不確実性への対処ではなく、単なるキャッシュフローのカイゼンとしか使ってないようだ。

Kickstarter ははじめたはいいが、さんざん煽ったせいで、100台は瞬間に完売、通知が来てからではもう遅いという状態。 それに、前回 Jelly に投資してフィードバックを出した人たちにほぼまったく優待がなかったこともある。 ここで、Jelly Pro のサポートをほぼやらないような会社の雰囲気もあって、Facebook ページに「失望」等のネガティブな書き込みが結構あるのだ。

どうなるんだろうねこれは。Jelly Pro のバッテリーに関するサポートをしなかったことがこの会社の致命傷になるんではないのかな。

投資した理由

小さい電話が好きなので。最近の電話はとにかく画面が大型化していてポケットにツッコんで持ち歩くのがダボダボして嫌なので。

Android 7系。 届いた時点でもう最新ではないのだが・・・。こういう小さいスマホはこれじゃなくてもいくつか存在しているのだが、 事実上現行環境ではまともに動かない。

到着

到着したのが 2017-09-20 だった。2017-06-06 に Go が出たということで、そこから3ヶ月半ほどかかったということだ。

セットアップ

まず裏蓋を開ける。これが壊れそうで怖いぐらいに固い。ボディの左隅に切り欠きがあるのでそこにピックのような薄い樹脂の板を差し込んでこじるとよいと思う。

ボディの一部がメッキ塗装されているが、非常に脆く、ボディの開閉を数回やっていると確実に剥げる。 Kickstarter ではバッテリーのセットを注文している人が多かったようだが、バッテリーの予備を日常的に交換して使うというようなモノではない感じなぐらいに固い。 本当に固いのでツメや素手で開けることができない。 上部のツメを少し削ったほうがよい気がする。カバーがユルユルになってもジャケットでガードできるので失敗してもジャケットを買えばよい。

中のバッテリーが袋に包まれて装着されているのでその袋を外す。

バッテリーを外したところに nano SIM カードが2枚と micro SD カードが1枚刺さるスロットがある。 スロットと言っても、差し込みではなく、装着してカバーで押さえつける方式である。

そのカバーは本体外側に向かってスライドさせると開くようになっている。

そこの SLOT1 に nano SIM を装着して、バッテリーを戻せば完了。

デュアル SIM

4G LTE 対応の機種ではあるが、両方ともが 4G なわけでなく、4G + 2G という仕様のようだ。

Jelly, The Smallest 4G Smartphone by Unihertz — Kickstarter

How does the dual SIM cards work?
Basically Jelly can support 4G+2G network without problem as you found in FAQ. Considering some place has no 2G network, we had tried to enable 3G for the standby SIM but it needs too much effort. So currently we can only provide Jelly with 4G+2G. Sorry for that. We will keep working on it and hope we can make 4G+4G in Q4 2017

2017の第四四半期には 4G + 4G を目指していると書いてあるのでこのデュアルSIM設計は将来への拡張も見据えた設計だろう。 実質 2G などに用はない。

これは使用していくとわかるが、モバイルデータ通信をONにしておくと非常に電池の消耗が激しい。 1個でもこの状態なので デュアル SIM で運用すると、消費電力はさらに上昇する。デュアル SIM 運用は実用上できないと思ったほうがよい。

インプレ

2017-09-21 時点の印象としては、挙動や機能に関しては画面が小さい以外にほぼ不満が無い。特に動作に関しては通常用途ではまったく問題ない。

問題があるとすれば、バッテリー容量が小さすぎる、もしくは消費電力が結構多い。 厚みを1.5倍にしてもバッテリー容量をふやしていただきたい。

これはデカイ電池を搭載して裏蓋だけ交換すればよいので、大きな設計変更はいらないはずだ。

価格

Pro が 120ドルで、ハッキリ言って安すぎである。200ドルぐらいでもっとスペックアップしてもよかっただろう。

CPU

動作にほぼ不満はない。そもそもそんなサクサク感を求める機種でもないし。

しかし Amazon のレビューを見ていると、初期型は 1.1GHz らしく、一般発売になってから 1.4GHz 版 があるようだ。 自分のは初期なので おそらく 1.1 なのだろうが、特に問題は無い。

カメラ

両面にカメラはあるが、低性能というしかない。10年前のガラケーレベルである。そもそもこの機種に求められてない性能。 しかし標準のカメラアプリが結構秀逸で、起動から撮れるようになるまでがかなり速い。これは特筆すべきだろう。

カメラ性能は低いのだがコレはこれで写ルンです的な味がある描写になりツールを使って適当に画像をイジるとそこそこ見れる写真になる。

Android の機能で電源ボタン2度押しでどんな状態からでもカメラアプリを立ち上げることが出来る。

カメラアプリは静止画と動画のボタンが2個並んでいるのだが、そのボタンが非常に小さくてタッチフォーカスと誤爆してしまうので、音量ボタンでシャッターを切るとよい。

非常に軽快に動作するので、日常のカメラとして非常によい。

カメラアプリはたくさんあるが、結局デフォルトのカメラアプリが一番高画質に撮れる。

バッテリー(Battery)

持ち

何もしなければ1日待受するぐらいの容量はあるが、ちょっと使い始めるとみるみるうちに減っていく。 暴走ほどではないが、「Google Play 開発者サービス」が妙に消費電力がでかい。 Facebook を1時間ぐらいやったら、半分ぐらいなくなる感じ。 Wifi を使っていると減りがそうでもないので、モバイルデータ通信に問題があるのかもしれんな。

確かにメニューから SIM をオフにしておくと待機時間による電力消費がかなり抑えられる。 これはかなり使い方が制限されるので、優先のネットワークを 4G から 3G にするという方法もある。 これでもかなり電池の消費が抑えられる。

2018-08-13 現在、Android 8.1 にアップデートし

  • 4G OFF
  • アプリの自動更新 OFF
  • Photo のシンクロ OFF

という状態で、何もしなければ 2日ぐらい待受状態にできることを確認。 使い始めるとみるみる減っていくのに変わりはないが、普段使いでなんとか実用レベルになってきたのではないのだろうか。

追加購入

現状輸送経路に問題があるらしく、公式では追加バッテリーの注文は一部の地域でしかできないようになっている。

互換バッテリー

公式ではバッテリーが買えないので互換バッテリーを調べてみる。

調べてみるとそれが特徴的なバッテリーだったので、その互換性を探ってみる。

バッテリーサイズで検索することはほぼできないのだが、950mah、3.8v という容量と電圧で調べると、 ある有名なバッテリーが引掛かってくる。

NOKIA BL-5C 系 と呼ばれるバッテリーである。 このバッテリーは Nokia の幅広い端末で長く使われていたこともあって、どこでも直ぐに手に入る。

このバッテリーは端子位置フットプリントは同様で厚さが違う3種類のバッテリーがある。

一番薄い BL-4C (53 mm x 34 mm x 4.5 mm)
中間 BL-5C (53 mm x 34 mm x 5.5 mm)
一番厚い BL-6C (53 mm x 34 mm x 7 mm)

ほぼサイズは 縦 53mm、横 34mm、 厚みにバリエーションがある。 このサイズは Jelly Pro のバッテリーとサイズがほぼ一致する。 1mm ぐらいは誤差としておそらくボディを軽い加工ぐらいでポン付け可能だろう。

もしかしたら、 Jelly Pro もこのバッテリーで容量を増やしたりできるかもしれん。

そして、この BL-5C 系の互換バッテリーを調べる。 このバッテリー、激安で100個で10000円強ぐらいで売られているものなのである。 しかも、950mah なんて甘っちょろい容量になっておらず、現代のテクノロジーで強化されているものがほとんどである。 中には 2800mah を超えているものがある。中国製なので容量詐称はバリバリだろう。

もう少し調べると、ちょっと問題があることもわかってきた。 Jelly Pro のバッテリーは Nokia系のバッテリーとは違っていて、なんだか プラスとマイナスの端子が逆に配置されているようなのだ。

実際 BL-5C を入手して比較してみた。 手元の BL-5C バッテリーをテスターでチェックして比較してみたが、やっぱり端子は逆に配置されている。間違いない。

端子のサイズもちょっと違っていて Jelly 純正はちょっと小さめになっている。位置は中央寄せなのでおそらくポン付けできるような配置にはなっている。 厚みは Jelly 純正が実測で 5mm、BL-5C が実測で 5.5mm だが持った感じだと BL-5C がかなり厚く感じる。 ケースが 0.5mm ぐらい飛び出ても問題ないとは思うが。

このおそらくビジネス要件でバッテリーを売りたいがために Nokia の汎用バッテリーと逆の端子を採用したのだろうが、完全に失敗になっている。 そして純正バッテリーは思惑とズレて発送できず、しかも本体自体はバッテリーが実用レベルで持たない状態。 ユーザーは持ち歩くモノを減らしたいから小さい端末を欲しいわけで、外付けバッテリーなんか持ち歩きたくないわけである。

つまり実運用できない端末というイメージがかたまりつつある。

Unihertz のエンジニアは裏で端末の改造方法をリークすべきである。

とりあえず BL-4C を手に入れて端子部分を分解してみることにする。

ここに分解して2個のBL-5C直列接続して高出力バッテリーとして使っている事例がある。 Make a Cheap Lithium Battery Pack: 9 Steps (with Pictures)

並列も簡単にできそうではある・・・と作業的には。

しかし個人レベルでのリチウムポリマーバッテリーの扱いに一日の長があるラジコン界の資料を見るとそう簡単でもないようだ。 やり方として限りなく同一の個体、同一コンディションの高品質なバッテリーを並列に繋ぐなら問題ないということだ。 問題なのは放電ではなく充電のほうで、リチウムイオンバッテリーは充電管理がシビアなのである。 過充電はだめで、それを制御する必要がある。そうでないと発火、爆発という危険がある。

高品質なバッテリーであれば、使用中、充電中に並列接続した2つのバッテリーに差が起きにくく、片方が満タンならもう片方も満タンということで安全を保てる。 しかし、コンディションがズレたモノを2つ接続すると、片方は満タンだがもう片方はまだ終わっておらず充電を続けるということになる。 これは充電が送り込んだ電流で満タンを判断しておらず、その電圧で判断しているからである。 リチウムポリマーバッテリーバッテリーだと定格で3.7V付近、満タンで 4.2V付近で判断している。

直列がなぜ大丈夫かというと、足りている方が足りない方を充電するという流れになるからだそうだ。

とにかくリチウムポリマーバッテリーの並列接続は危ないということはわかった。

↑の資料からわかることは BL-5C系の端子は意外に単純だということだ。これなら内部に細工するのも簡単だろう。

つまり端子の逆転も比較的容易にできるのではないかと。

となると、必要になる対応は BL-5C系でも限りなく分厚いバッテリーを入手することである。 5Cより6Cが厚いことがわかっているのだが、7C、8C、9C と存在するのなら入手したい。

調べると BL-8C という 1500mAh のバッテリーが存在するようだ。 BL-9C や BL-10C もとりあえず存在はするようだが、現実的に手に入れられるのは 6C になるようだ。 これでも現状の 4C と比較して 10% ほど容量が多いので

やった設定とか操作方法

日本語化

言語の設定で日本語化できるのだが、SIM を一番始めに突っ込んだ時にその現地の言語に自動的に切り替わってしまうので、 特にアジアの謎言語の地域に住んでいる人は初期の英語状態の時に言語をどうやって日本語にするのかを予行演習しておいたほうがよい。

スクリーンショットを撮る

電源ボタンとボリュームダウンの同時押し。本当に同時に押し込む。

ホームボタン操作でのバイブレーション抑止

「設定 → 音 →その他の音 → タッチ操作時のバイブ」 を OFF

3G 限定化

LTE 優先にすると消費電力が大きいということで 3G 限定として動作するようにする。

Google Photo 自動同期オフ

Google Photo は地味にバックグラウンドで通信を大量に行うので手動同期にする。

電力消費を抑える。

Google Play 自動更新オフ

アプリの自動更新もオフにする。こいつもかなり頻繁に裏で通信するので、 更新するしないではなく、確認すらしない状態にする

電力消費を抑える。

キーボード(IME)の切り替え

通常 Android 7.0 ではテキスト入力時のキーボードの切り替えは、通知領域か、画面下部の3つのボタン(戻る、Home、タスクスイッチ)の脇にチョロッと切り替え用のボタンが表示されるはず。

しかし、この Jelly Pro ではそんなボタンもなく、しかもデフォルトで使うキーボードの設定する項目すら無い。 これはどうやってやればいいのか?

各キーボード自体に切り替え用のボタンがあって、それをタップすることで切り替えるダイアログが出るようになる。 出し方はそのキーボードアプリによって違っていて、それは探さないといけない。

標準でついてくる英語キーボードの場合は、スペースキーを長押しするとダイアログが出る。 ATOK では、「あA」のキーの長押しで ATOK メニューが出てきて、その中に切り替えのボタンがある。 Google 日本語入力では「地球ボタン」の長押しで切り替えができる。

2個目購入

公式サイトから注文して2個目を購入した。 2017-09-28 発注で 2017-11-07 到着。

専用ケース

ケースというかカバーというかそういうやつ。 一応買ってはみたが、付けた感じこれは不要だと思った。

phone/unihertz_jelly_pro.txt · 最終更新: 2019-03-21 15:32 by ore