USB / コネクタ / USB Type-C

便利なのはわかっているが色々情報が錯綜して、イマイチまともに普及しない USB Type-C に関して

USB Type-C とは

USB Type-C というのは、あの裏表が無いコネクタ形状の規格であって、その中を何が流れるかの規格では無いというところが混乱ポイントである。

つまり、何が流れるかを買う場合に常に考える必要があるということである。

コネクタはピンが上下点対象(裏返し対応)に12ピンづつ、合計 24ピン並んでいる形状になっている。microUSB が4ピン USB を拡張した5ピンの形状だったのと比べると、 全然別物のコネクタだということがわかる。

さらに、あまりに無茶苦茶に使われすぎていてもうわからなくなっていたが、規格的に Type-C はホストとデバイス側でケーブル形状が同一である。

じゃあ、12ピン全部結線すれば問題は片付く(メス側は24ピン結線されていて、オスの逆刺しに対応する)わけだが実際にはそのピンの役割によって配線の品質や必要な太さが違っており、 コストの関係でそれを全部キッチリ実装するのは問題が多い。

つまり、結線しないことでコストを抑えたり、ケーブルの太さを細くして取り回しをよくしたりするわけだ。 よく見る LAN ケーブルでも捻って若干体積が増えているとはいえたったの 8本しか無くてあの太さである。 12本全部結線すると取り回しの悪いケーブルになるのは想像つく。

しかしそれが外観からはわからんという問題。

何が流れる

CCピン

Configuration Channel というもので点対称に2本存在する。こいつはこのケーブルが何者であるのか、どっちがどっちなのかを識別したり、(ケーブル自体に)電力が必要ならばそこから(USB機器とは別に)供給したりする。

つまり、この情報を流せる線が USB Type-C のキモになる。

電力

完全に電線として使う。

USB 2.0

旧来の機種で変更を最小限にし、コネクタの利便性のみを享受しようとした結果このような規格のケーブルもあるようだ。 当然、24ピン必要なく5ピンだけでよいので、常識に考えれば左右末端の GND と、その途中のバス電源、中央のデータが結線されているはずである。

当然、通信も電力も USB 2.0 規格に準拠したものになる。

USB 3.1 Gen 1

最大 5G で通信できるモード。

USB 3.1 Gen 2

最大 10GB で通信できるモード(superspeed)。USB Type-C 的に Gen 1 と何が違うかというと、使う線が違うのである。 Gen 1 の通信する線とは違う線で通信するのである。

かといっても線がつながっているだけである。線を隣に移せば倍速で通信出来るなら話は簡単である。 ではなぜ違うかというと、おそらく Gen 2 で使う端子に接続される配線には Gen 1 を上回る耐ノイズ性能が必要になるのである。

しかし、メーカー的には配線を隣に移すだけでコストほぼゼロで「一応」Gen 2 対応とスペックに書けるのである。 中国のメーカーがやりそうである。

Type-C の混乱はこういうところからも来ているようだ。

USB Type-C PD

USB がここまで流行ったのはデータケーブルとしてではなく小電力供給ケーブルとしての側面がかなり大きい。 そのニーズをモロに形ににした USB Type-C PD という規格がある。

信号ではなく電力がメインに流れるというやつである。

これに最大 20V 5A の電力を出力できるとある。 当然電力線の結線はこれに耐えるモノになっていないといけない。 つまり 100W 電源である。現状のデスクトップPCや消費電力高めのノートPCにはちょっとつらいという感じである。 旧USBの規格では 5V で 1A 〜 2A 程度流すことを想定されている。全然電力が違う。

規格では eMarker というチップが内蔵されていてそのケーブル仕様や製造者情報が識別できるようになっている。 これにより仕様側がある程度安全性をコントロールできるという目論見。

となると供給側は安全に倒して、低電力供給するという選択肢をケーブルごとにできるということになる。 そうなるとケーブルメーカーは低性能のレッテルを貼られるのを嫌って安全性を無視するように偽装するだろう。 世の中がこんなケーブルで溢れていしまうと、もう PD 対応という意味がなくなってしまっている。

みんなまとめて危険に行くか、低性能になるかになってしまう。

Thunderbolt3

USB Type-C 形状のケーブルに PCIe の信号を通す規格。 非常に高速な通信ができる。

この Thunderbold3 というのは非常にわかりにくくしているのが、狭義では PCIe 信号を流す通信方式を言うのだが、 Thunderbold3対応の USB Type-C ポートというのは

  • USB2.0
  • USB3.1 Gen1
  • USB3.1 Gen2
  • DP

の信号も許容するのである。つまり Thunderbold3 と書いてあればとりあえず全部OK的な USB Type-C ポートとなる。

USB4

USB3がなんだかゴタゴタやっている間に、4が登場である。

Thunderbolt3 互換でさらに高速らしい。つまり最速且つ全部入りということである。

pc/parts/standard/usb/connector/usb_type_c/start.txt · 最終更新: 2021-07-10 09:15 by ore