マジック/カード/トップショット

マジック/カード/トップショット

片手の瞬間の指の操作のみでデックの一番上のカードを飛ばす技法。素早く行うとその飛び出す原理の分からなさとスピードが相まってトップではなくデックの中からカードが勝手に引っ張り出されたような錯覚となり非常にインパクトがある。

やり方

デックをボトム側から親指と他の4本の指で下側から左右を挟むように持つ。 この時に特に親指と人差し指に力を入れて保持し他の指はリラックスしておく。このことにより飛んでいくカードの勢いを他の指が邪魔しないようになる。

デックと手のひらの間に意識的に空間を作ってべったりつけないほうがデック全体のしなりを飛ばす勢いに変えやすいような気がする。

小指、もしくは小指と薬指でトップのカードを外側へ引きずる。 外側へ引きずることで、トップカードが人差し指の腹を支点にズレる(回転する)。 すると、トップカードだけがデックに対して斜めの角度になるので親指側のトップカードの角が親指の腹に沿いながら下方向にズレてくる。トップカードカードの角が親指に押し付けられて、(親指、小指側のデックのエッジ、小指の3点を使って)しなってくる。この、しなりを利用して飛ばす。カード一枚分のしなりなので力は必要なくカードがコントロールされているなら自然にしなる。

さらに小指により外へ引き出すと親指側の角が離れてカードが立ち上がりつつ回転するような勢いがつく。 この立ち上がらる勢いを殺さないように小指を外側に開き皮膚の摩擦を利用してカードをさらに加速させて飛ばす

カードが裏返りつつ水平に回転しながら飛ぶ。

自分は3ヶ月ぐらい毎日10分ぐらいずつ練習したらなんとかできるようになった。率は低い。

なれてくると、カード一枚分ではなくデック全体をしならせて飛ばすようにする。 カード一枚のしなりではカードが右手から左手にパスされたぐらいの勢いしかないのでインパクトが弱い。 デック全体をしならせてその勢いを利用すると瞬間移動という感じになりより現象の効果が際立つ。 感覚としては、最初は1枚のズレ、しなり、を意識したモノになるが、デック全体を使う場合は、デックの対角線を結んだ中央からカードが弾き飛ぶように意識するとよい。

キャッチ

飛ばすことよりもキャッチが難しい。人間の反射神経の限界を超えたスピードで飛ぶので、見てから掴みにいったり、手に当たった感覚で掴んだりできない。 なので、飛ばす速度と方向を安定させて、一連の流れでキャッチする側の手をコントロールするとキャッチできるようになる。

方向が安定しないというならば、地面に滑らせるように飛ばし、手はそれをすくい上げるように構えるとよいかも。 うまくいくと手に滑り込んでくるし、バウンドしてキャッチするという動きにもなる。 キャッチできなくても、キャッチした手が飛び出すカードが着地する位置を示していると捉えるならば演出として成立する。

なれてくると40cm近く離れていても手にめがけてカードを飛ばすことができるようになってくる。 このぐらい離れると、カードのスピードも緩やかになるので見てからキャッチすることができる。しかしスピードが遅くなるので明らかにインパクトは薄れる。 シュパン!ではなくてポーンという感じになってしまう。 間隔は25cmぐらいが一番インパクトある。

練習

まず最初は小さくて柔らかいカードでやったらいい感じ。 ブリッジサイズの安物トランプがグニャグニャなので、それでやると飛ぶ原理、小指の感覚がつかみやすい。

小指で引きずって親指から離れて、ピン!という動作でトップからカードを一枚ずつカウントして右手に渡していく練習をするとわかりやすい。つまり飛ばないショットをやる。カーディーニチェンジとかエゴチェンジと呼ばれる技法に似ている。

応用

慣れてくると、指の摩擦によって方向がコントロールできるようになってくる。こうなるとデックを天地逆さまにしてもなんとなくトップショットっぽいモノができるようになる。

右手の演出等と組み合わせると、カードがデックの中を勢いよく突き抜けてボトムから飛び出るような効果も期待できる。

magic/card/top_shot.txt · 最終更新: 2021-03-02 13:32 by ore